検索結果で上位に表示されるサイトには共通点があります。

それがE-E-A-T(Experience/Expertise/Authoritativeness/Trust)です。

SEO初心者の方でも、今日から実践できる具体策があります。

本記事では、4大要素の意味と実装ポイント、やってはいけないNGまでをわかりやすく解説します。

E-E-A-Tとは?SEO初心者向けの基本

E-E-A-Tは、Googleがコンテンツ品質を評価する際に重視する4つの視点(Experience/Expertise/Authoritativeness/Trust)の総称です。

検索順位を決める個別の「直接的なアルゴリズム要因」ではありませんが、ユーザーにとって役立ち、かつ安全で信頼できる情報かどうかを判断するうえで極めて重要な考え方です。

Googleが重視する4つの評価軸

E-E-A-Tの各要素は独立しているようで相互に補完します。

特にTrust(信頼性)は土台であり、他の3要素をいくら満たしても信頼が欠けると評価は安定しません。

4要素の早見表

要素ねらい代表的なシグナル例
Experience(経験)実体験に基づく一次情報で実用性を高める自分で使った証拠(写真・動画・スクショ)、手順やコツ、失敗談、時系列の記録
Expertise(専門性)正確で深い知識に裏打ちされた解説専門家プロフィール、資格・実務歴、専門用語の適切な使い分け、一次情報の解釈
Authoritativeness(権威性)第三者からの評価や認知被リンク・引用、メディア掲載、登壇・受賞、ブランド指名検索
Trust(信頼性)安全性と透明性の担保HTTPS、会社概要・連絡先、プライバシーポリシー、返金・返品規約、正確性と更新履歴

初心者が覚えるべき要点

最初からすべてを完璧にする必要はありません。

「誰が」「何を」「どうやって」書いたのかを明確にし、誤りがあれば素早く正すことが第一歩です。

E-A-TからE-E-A-Tへ(Experienceが追加)

2022年の検索品質評価ガイドライン改訂で、E-A-TにExperienceが加わりました。

実体験に根ざした一次情報の価値が明確化された形です。

なぜExperienceが必要か

同じテーマの解説でも、実際に使って検証した情報は精度が高く、ユーザーの意思決定を後押しします。

レビューや手順記事、旅行記、ツール比較などで差が出やすい要素です。

具体例

  • レビューなら、購入履歴のスクショや使用時の写真を添え、良い点だけでなく改善点も記載します。
  • ハウツーなら、実行環境・前提条件・つまずきポイントを明記し、代替手順も補足します。

E-E-A-Tが検索順位に与える影響

E-E-A-Tは単体の数値で加点されるものではありません。

ただし、E-E-A-Tを満たすことで、被リンクやユーザー満足度、再訪・指名検索などのランキングに寄与する多くのシグナルが自然に強化されます。

YMYL(医療・金融など重大な影響を与える領域)では比重がさらに高まります。

影響が出やすいケース

  • 比較・レビュー・レコメンド記事(一次体験の有無で差が出る)
  • 重要決定に関わるテーマ(医療・お金・安全)
  • 情報鮮度が価値を左右する領域(テクノロジー、制度改正)

検索品質評価ガイドラインとの関係

検索品質評価ガイドラインは、人間の評価者が検索結果の品質を採点するための指針です。

これ自体が順位を決めるわけではありませんが、Googleが「良質」とみなす方向性を示す羅針盤です。

ガイドラインの意図に沿うコンテンツは、コアアップデートにも強く、長期的に評価されやすくなります。

4大要素の意味とポイント

Experience(経験): 実体験に基づく情報

何を示すか

「実際に自分でやったのか」を示す証拠の集合です。

一次情報の厚みが鍵になります。

強化のコツ

具体的な日時・環境・手順・結果・学びを記載します。

成功だけでなく失敗から得た示唆も価値です。

写真は加工しすぎない自然なものが信頼されます。

ありがちなミス

体験を一般化しすぎて根拠が薄くなることです。

体験の範囲と限界を明記し、他の状況では異なる可能性を示します。

Expertise(専門性): 正確で深い知識

何を示すか

テーマに対する体系的な理解と、誤りのない解釈です。

資格の有無だけではなく、実務・研究・取材の深さも含まれます。

強化のコツ

定義・前提条件・例外・根拠の出典を示し、初心者にも伝わる言い換えを併記します。

図表や数値で曖昧さを減らします。

ありがちなミス

専門用語の連発や断定的な言い切りです。

誤解を避けるためクレームやリスクも透明に説明します。

Authoritativeness(権威性): 信頼される立場・評判

何を示すか

第三者からの評価や社会的な認知です。

他サイトの引用・被リンク・取材・受賞歴などが代表例です。

強化のコツ

一次調査や独自データを公開し、引用されるに値する「参照価値」を作ります。

プロフィールや会社情報を整え、記者や研究者が出典として参照しやすい形にします。

ありがちなミス

リンク獲得を目的にした過度な相互リンクや購入です。

ガイドライン違反となり逆効果になります。

Trust(信頼性): 最重要の土台

何を示すか

安全性・透明性・誠実さです。

Trustが欠けると他の要素が揃っていても評価は不安定になります。

強化のコツ

HTTPS、運営者情報、プライバシーポリシー、返金規約、問い合わせ導線、正確性の担保と訂正ポリシーを明記します。

表示速度やアクセシビリティも体験品質の一部です。

よくある落とし穴

誤情報の放置、広告と編集の分離が曖昧、アフィリエイト表記の不足です。

誤った情報は気付いた時点で迅速に訂正し、更新履歴を残します。

初心者が今日からできるE-E-A-T強化策

著者プロフィールと運営者情報を明記

記事末やサイドバーに、顔写真・略歴・専門分野・実務経験・主要実績・連絡手段を記載します。

組織サイトなら運営会社の住所や責任者、編集体制も載せます。

構造化データで明示すると機械可読性も高まります。

JavaScript例(最小限のPerson/Organization)
<script type="application/ld+json">
{
    "@context": "https://schema.org",
    "@type": "Article",
    "headline": "記事タイトル",
    "author": {
        "@type": "Person",
        "name": "山田 太郎",
        "affiliation": {
            "@type": "Organization",
            "name": "ABCメディア"
        },
        "sameAs": [
            "https://x.com/...",
            "https://www.linkedin.com/in/..."
        ]
    },
    "publisher": {
        "@type": "Organization",
        "name": "ABCメディア"
    },
    "datePublished": "2025-01-15",
    "dateModified": "2025-09-01"
}
</script>

実体験(写真・手順・失敗談)を加える

作業環境や前提条件を冒頭で示し、撮影した写真やスクリーンショット、検証データを差し込みます。

成功だけでなく、つまずきポイントや回避策を書き添えると価値が上がります。

出典(公式・一次情報)にリンクする

主張の根拠は、一次情報や公式ドキュメントにリンクします。

出典名と発行主体、日付を明記し、引用は必要最小限に留めます。

例: 「品質評価ガイドラインの最新情報: E-A-T に Experience の E を追加」。

連絡先・ポリシー・会社概要を整える

問い合わせが1クリックで届く場所にあり、返信目安や受付時間を明記します。

編集方針、広告方針、訂正ポリシー、プライバシーポリシー、利用規約は信頼の基礎です。

必須ページと要素の対応

ページ主な記載内容
会社概要/運営者情報法人名または屋号、所在地、代表者、沿革、ミッション
お問い合わせフォーム、メール、返信目安、受付時間、個人情報の取り扱い
プライバシーポリシー収集データ、利用目的、保存期間、第三者提供、Cookie
広告・アフィリエイト表記広告の基準、アフィリエイトの有無、ランキング基準
訂正・更新ポリシー誤情報の修正方針、更新履歴、問い合わせ窓口

専門家の監修やレビューを受ける

YMYL領域や高度な専門テーマでは、実務家や有資格者の監修が有効です。

監修者名・資格・所属・監修範囲を記事に明記し、dateModifiedで更新日も機械可読にします。

ただし、監修は免罪符ではありません。

内容の一次責任は著者と運営者にあります。

評判(被リンク・引用・口コミ)を集める

購入や相互リンクに頼らず、引用したくなる独自価値を作ります。

オリジナル調査、テンプレート配布、事例インタビュー、業界用語集などは引⽤されやすい資産です。

プレスキット(ロゴ・写真・紹介文)を用意し、出典表記を促すガイドも公開します。

最新情報へ更新し誤りをすぐ修正

制度や価格、仕様は変わります。

更新日と更新箇所を明示し、アーカイブも残すと透明性が高まります。

サイトマップや構造化データで更新を検索エンジンに伝えます。

HTML
<link rel="sitemap" type="application/xml" href="/sitemap.xml">
<meta property="article:modified_time" content="2025-09-01">

重要ページのE-E-A-Tを優先的に強化

全ページを一度に改善する必要はありません。

流入とコンバージョンへの寄与が大きいページから80/20で着手します。

Google Search Consoleの「検索パフォーマンス」で、クリック数が多いのにCTRが低いページや主要クエリの上位表示直前(平均掲載順位6〜12位)のページを優先すると改善効率が高まります。

やりがちなNGと注意点

体験のねつ造や誇大表現はNG

実体験を装う捏造や過度な誇張は深刻な信頼毀損です。

体験の範囲や条件を明記し、提供品・タイアップは必ず表示します。

根拠不明・出典なしの断言は避ける

データや見解には出典を示し、不確実性は不確実だと書くのが信頼への近道です。

古い情報は更新日と合わせて再検証します。

低品質なAI自動生成の乱用は避ける

AIは下書きや構成補助として有用ですが、事実確認・独自検証・著者の見解がない機械的量産は価値を生みません。

AIが生成した箇所のファクトチェックと著者の編集責任を徹底します。

コピペ量産は逆効果(独自性を担保)

まとめ直しや表現の言い換えだけでは独自価値になりません。

一次情報の発掘、独自視点、比較基準の明文化で差別化します。

過剰な広告や表記不足は信頼を損なう

コンテンツの可読性を妨げる広告配置や、広告と編集の混同はNGです。

アフィリエイトは「広告」「プロモーション」とわかる表記にし、ランキングの基準も説明します。

HTTPSとプライバシーポリシーで信頼性を担保

通信を暗号化(HTTPS)し、HSTSで常時SSL化を強制します。

Content-Security-Policyで混在コンテンツを防ぎ、Cookieや個人情報の扱いをポリシーに明記します。

HTTP
Strict-Transport-Security: max-age=31536000; includeSubDomains; preload
Content-Security-Policy: upgrade-insecure-requests

医療・お金(YMYL)は特に慎重に対応

YMYL領域は、専門性・正確性・透明性の水準が一段と厳格です。

専門家の監修、臨床・制度の一次情報へのリンク、リスクや限界の明示、個別相談ではない旨の断り書きを徹底します。

まとめ

E-E-A-Tは、検索順位の「魔法のスコア」ではありません。

ですが、ユーザーの課題を安全かつ確実に解決するための設計思想であり、結果として検索で選ばれる土台になります。

まずは(1)著者と運営の透明化、(2)実体験の可視化、(3)一次情報へのリンク、(4)信頼ページ(会社概要・ポリシー・問い合わせ)の整備から始めましょう。

重要ページを優先し、誤りは迅速に訂正し、更新履歴を残す。

この小さな積み重ねが、長期的に強いサイトを育て、Googleにもユーザーにも評価される近道になります。